測量をしなければならない理由は、その土地の所在地や大きさ、形状などが判らなければ、あらゆる行為や手続の支障となるためです。
以下のような場合に測量が必要となります。
測量が必要となる場合
- 1.土地を売買する場合
- 土地を売買する時は、公簿面積で取引きする以外は、その土地の隣人に立会をもとめ、境界を決めて測量して、実測面積にて取引するのが通常です。
- 2.土地を分筆する場合
- 1筆の土地を2つ以上に分割する場合も、やはり土地境界を決めて、測量し、分筆図を作成して、所轄の法務局に分筆登記申請を提出いたします。
- 3.相続税を土地で納税(物納)する場合
- 物納が認められるためには、いくつかの要件を満たす必要があります。「物納適格財産」
その一例として、境界が明らかでない土地は管理処分不適格財産となり、物納に不適格な不動産となります。そのため物納対策として予め準備をしておくことが重要となります。
境界確定の手続には、官公庁との折衝や、隣接地所有者との立会・協議など、さまざまな手続きが必要となり、着手から完了まで最短でも2~3ヶ月の時間を要します。 - 4.国有地の払下を受けたい場合
- 自分の土地に隣接する、払下可能な国有地があり、それを払下を受けたい場合、その国有地の面積、地積確定が必要となります。
- 5.開発行為の許可及び宅地造成工事の許可を受ける場合
- 広い土地を分割して、宅地や道路を作る場合や、擁壁等を作る場合は、所轄の役所に許可を取る必要があります。また、建物の新築や造成工事を計画するために、土地の形状や高さ、正しい面積を測量しなければならない場合も多くあります。もし境界標がない場合には、境界標を埋設しなければなりません。
そのためには、申請する土地の周囲の隣接地所有者や道路・水路などの管理者と立会の下で境界を確認する作業を行い、必要に応じて土地境界確定図を作成します。 - 境界紛争予防
- 家を建て替えたり、あるいは新しく塀や垣根をつくろうとしたときに、土地の境界がはっきりせず、隣接地の方と争いになることがあります。このようなトラブルは、土地の境界を明確に示す境界標が設置してあれば防ぐことができます。
土地の境界を確定する作業を行い、境界確認書等の証拠書面を整備し、境界標を埋設することで、売買や相続によって所有者が変更しても将来にわたり安心していただけると思います。また境界標が欠落しても、境界確認書があれば境界標を復元することが可能になります。
現況測量
土地地積更正登記や土地分筆登記を申請しようとする時、現地の筆界がどこにあるのか、分筆する位置や形状がどうなるのか、といった状況を把握したり検討するために行います。また、建物の新築や増築をする時、建物の配置計画や建築確認申請に必要な現況測量も行います。
地形と境界標の位置、建物の形状や位置、道路・マンホール・電柱など、その他現状把握や検討に必要な調査測量を行い、図面(現況測量図)を作成します。
境界標埋設
土地の取引(売買や物納)、分筆登記・地積更正登記の申請、あるいは塀や擁壁などの工作物を築造する場合には、境界標が正しく設置されていることが重要です。
もし境界標の一部でもない場合は、法務局や道路管理者(県、市役所等)で境界に関する資料を調査し、隣接地の所有者や道路・水路などの官地を管理する役所の立会を求め、境界確認及び測量を実施し境界標を正しく埋設しなければなりません。
開発測量
建築物等を建築する目的で一定規模を超えて土地の区画を変えたり、切土・盛土などの造成をおこなって宅地のように形質の変更を行う場合は、開発行為の許可を得る必要があります。
土地の面積が一定規模に満たなければ、開発許可が不要な場合もあります。
筆界特定制度による申請代理業務
筆界特定制度は、境界紛争等を解決するために筆界特定登記官が土地家屋調査士や弁護士などの専門家(筆界調査委員)の意見をふまえ、迅速・適正に筆界を特定するものです。
全ての土地家屋調査士が、この制度を活用するための申請代理人として業務を行うことができます。